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本質の部分

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  何年か前、常に目がはなせないようなあそび方をする小学生がいました。 ¨悪い子¨のレッテルをはられ、よく怒られていると言っている子でした。  ある日、来園している方からカブトムシの幼虫をたくさんいただきました。 あそびに来た子たちに持ち帰って育ててもらい残り数匹になったとき、 4歳くらいの子が「あと何匹になったー?」 とザクザクととがったスコップで探していました。 それを見たその小学生が 「おいおい!やさしくしないと幼虫がスコップに刺さって死んじゃうだろ! こうやってやさしく探さないと…」 とそうっと土をすくって教えてあげていました。 その子の意外な一面にふれ、とても心がなごんだことを覚えています。  その後、一緒にあそんで仲良くなり学校や家での話をしてくれました。 心に抱えてることや 納得できないこと どうにもできない感情を あそび場で発散しているんだな。と感じました。 見えてる部分だけではなく、その子の本質の部分をみつけたら 「それ、いいね」 と伝えたいと思っています。                                事務局 あや

自分にとってどんな場所?

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  開園20周年にあたり、小学生のころから来ていた子(今春、高校卒業!)に 「冒険松原あそび場って自分にとってどんな場所?」と聞いてみました。 しばらく考えてから、 「初めて本当の自分を出せた場所かなぁ。大人の価値観を押し付けず聞いてくれたから」 と答えてくれました。  スタッフやよく来園している大人の中から、 相談にのってくれる人。 否定しないで聞いてくれる人。 批判してきそうな人。 こどもながらに見極めて話をしていたと教えてくれました。   あそび場は泥だらけになってあそぶだけではなく、語りの場でもあります。 「なんか、定期的に来たくなっちゃいますね」 と学校や家でのできごと、 バイトの話、 恋人ができたなど、 あんなに無邪気で幼かったのに 頼もしくなってきてなんだか歴史を感じています。 モヤモヤした日は誰とも話さないでハンモックに揺られて過ごしたり、 火にあたってボーッとしたり。  時々、母親のような一面が出てしまうこともあり、 こどもの話をきくことのむずかしさを感じますが、 彼らの心の移り変わりをそばで感じながら過ごしています。                                                              事務局 あや

みんなの力で建ったリーダーハウス

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  20年前、 草加市にもこどもが自由にあそべる場所が欲しいと 考えた私たちは、他のあそび場の見学に行きました。 そして冒険あそび場を開園するのあたり、 まずはリーダーハウスが必要であると考えました。 プレーリーダーの着替えや休憩、事務作 業の場、 工具や書類の保管場所、 悪天候時の一時避難、 怪我や体調不良の手当等、 そび場運営の拠点となります。  建設するにあたり、どのような物が良いか話し合うなか 景観やこどもの安全を考えログハウスに決定しました。 しかし、まだまだ問題は山積み! 都市公園法はクリアできるのか、 上下水道を整備できるのか、 建設費用は誰が持つのか、 作業にこどもを参加させるのか等、 一つ一つ草加市と話し合いました。  ログハウス建設が始まると、 素人のお母さんたちを中心に作業しているのを見かねて、 お父さんたちが手伝ってくれるようになりました。 中には、毎週土曜日仕事を休んで参加したり、 平日1人で作業してくれた方もいました。 また、あそびに来ていたこどもが 本職のお父さんに頼んで屋根の作業をしてくれたこともありました。 このようにたくさんの方の力を借りて、 少しずつ進んでいきました。 そして、話し合いに1年・建設作業に1年の期間がかかりました。 草加市との約束の期日を守れたことにとても安堵したのを覚えています。 リーダーハウスが完成し、 お披露目会を開いたときは市長もあそび場に来てくださり、 共に喜びました。 同時に 『この場所で長い冒険の旅が始まるんだな』 と覚悟が決まった瞬間でした。                          元理事 野島久子